
実力派日本のジャズ・バンドが、日本語で歌うヴォーカリストをフィーチャーし、世界の強豪とどう渡り合うのか?
text = Shuya Okino
photo = Tsuneo Koga
ヨーロッパの大型野外フェスにも出演し、オーディエンスを熱狂させて来たSOIL&”PIMP”SESSIONSがBlue Note JAZZ FESTIVAL in JAPANに登場する。彼らは、United Future OrganizationやMondo GrossoらACID JAZZ世代の影響を受けつつも、JazztronikやSleep Walkerといったフューチャー・ジャズ/ブロークン・ビーツ期のアーティストが登場した2000年代初頭に、”Death Jazz”なるコンセプトを標榜し、クラブ・シーンで頭角を現した。

アグレッシヴなステージ・パフォーマンスと派手な衣装で、海外の聴衆を魅了し続けていた彼らだが、国内では積極的にゲスト・ヴォーカルをフィーチャーして日本語を取り入れ、J-POPのフィールドにも食い込み、国内/海外での人気を両立させて来た稀有な存在となる。更には、アジテーターの社長、トランペットのタブゾンビが、それぞれの地元、福井と鹿児島でJ-POPのリスナーをも巻き込んだ大きなフェスを運営する一方で、ピアノの丈青とベースの秋田ゴールドマンは、本格的なジャズ・トリオでアルバムをリリースするなど、大衆からコアなジャズ・リスナーまでを視野に入れた幅広い活動で、もはや、クラブ・シーンには収まらない独自のポジションを確立する事となった。
そして、今回のインターナショナルなジャズ・フェスへ、満を持しての登場となる訳だが、注目される点は、ペトロールズの長岡亮介をフィーチャーして、世界の強豪達とどう渡り合うのか?という事に尽きる。これまで、海外仕様と国内モードを使い分けて来たSOIL&”PIMP”SESSIONSが、敢えて、Blue Note JAZZ FESTIVALで日本語を導入することは新たなチャレンジだと言えるだろう。ライン・アップから考えて、海外フェスのセット・リストでも十分通用する筈だが、国内でメンバーが主導して来た大きなフェスの成功、そして、CITY POPのリバイバルで海外リスナーの間でも日本語に対するハードルが下がったことにより、SOIL&”PIMP”SESSIONSが兼ねてから推し進めて来た日本語とジャズの融合を、本場のジャズやファンクのレジェンド達と同じステージで披露する絶好のタイミングが訪れたのかもしれない。日本人によるジャズ、しかも、日本語を使ったジャズが、BLUE NOTE RECORDSのボス、DON WASの目にどう映るのかということも大変興味深い。奇しくも、Blue Note JAZZ FESTIVALにはSOIL&”PIMP”SESSIONSと共演歴のある三浦大知も出演する。SOIL&”PIMP”SESSIONSとその仲間が、そこに風を吹き込むだけでなく、そこで新しい風を巻き起こすことを期待せずにはいられない。

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LIVE INFORMATION
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Blue Note JAZZ FESTIVAL in JAPAN 2025
2025 9.27 sat., 9.28 sun.
Open12:00pm Start1:00pm
https://bluenotejazzfestival.jp
★SOIL&”PIMP”SESSIONS with special guest 長岡亮介は 9.28 sun. に出演!
▶︎9.27 sat.
NORAH JONES
TAKE 6 with MIHO HAZAMA Jazz Orchestra
DON WAS & THE PAN-DETROIT ENSEMBLE
AMARO FREITAS
VALERIE JUNE
▶︎9.28 sun.
NE-YO
TOWER OF POWER
DAICHI MIURA
INCOGNITO
SOIL&”PIMP”SESSIONS with special guest RYOSUKE NAGAOKA
沖野修也(おきの・しゅうや)- Kyoto Jazz Massive / Kyoto Jazz Sextet
2000年にKYOTO JAZZ MASSIVE名義でリリースした「ECLIPSE」は、英国国営放送BBCラジオZUBBチャートで3週連続1位を獲得。2015年にKYOTO JAZZ SEXTETを始動し、名門ブルー・ノートからの『MISSION』をはじめ数々の作品を発表。現在、InterFM『Tokyo Crossover Radio』で番組ナビゲーターを担当(毎週金曜22時)。