
“宇宙最高のファンク・バンド”、タワー・オブ・パワーが大きなステージに戻って来る!10人編成のバンドである彼等は、大舞台でのライヴこそが本来の実力発揮の場なのだ。見逃してはいけない!
text = Takaaki Sakurai
live photo = Takuo Sato
昨年(2024年)8月のタワー・オブ・パワー(TOP)の来日公演は素晴しかった。コロナ禍もあって5年振りの来日で、その間にメンバーは3人変っていた。10人編成のバンドで3人もメンバーが変れば、普通であれば出る音は変わる。それも、リード・トランペット、ドラム、そしてヴォーカルが変わったのだ。それなのに、サウンドは増強され、進化していたのである。これには昔からのファンも驚いた。デヴィッド・ガリバルディ(ds)が脱退を表明した際に、今後のサウンドに危機感を持った人も多かったであろう。だが、新任のドラマーのピート・アントゥネスは、見事なまでの「ガリバルディ研究家」。(通称)ガリさんのプレイをことごとくカバーし、その上に自身のプレイを重ねていたのだ。見事であった。また、リード・トランペットに就任したデイヴ・リチャーズは、元々はトロンボーン奏者。従って、タワー史上のお家芸である「トランペットとトロンボーンの持ち替え」という、故ミック・ジレット以降の「技」も見せてくれるのだ。そしてバンドのフロント・マンであるヴォーカルのジョーダン・ジョン。彼はソロ・アーティストとして活動していたが、目出度くTOPに加入。元々、デヴィッド・フォスターのショウに抜擢され、日本公演のキャリアも持っている。つまりは大御所の眼鏡に適ったヴォーカリストなのだ。若くて長身、スリムな彼はステージに華を添える。ギターやキーボード、そしてドラムも叩くマルチ・プレイヤーでもある。確かな歌唱とダイナミックな動きは、必ずや観る者を魅了してやまない。また、日本で女性ファンも多かったロジャー・スミス(org)が引退。今回がTOPメンバーとして初来日となるマイク・ジェレルは、実はジョーダン・ジョン加入前に短期間だがヴォーカリストとしてTOPの一員だったことがあるのだ。彼の、実に達者なオルガン・プレイにも注目である。

そんな、新メンバーも多くなったTOPだが、創立メンバーであるリーダーのエミリオ・カスティーヨ(ts)と、スティーヴン“ドク”クプカ(bs)の二人は健在だ。この二人がいれば、TOPサウンドに不安は無い。最早“ロッコ”こと故フランシス・プレスティア(b)やガリさんはいなくとも、世界に冠たるリズム隊が叩き出すビートは更に磨きが掛かり、ホーン隊の嵐のようなアンサンブルも迫力は倍加した。彼等の黄金時代は、第一期の1970年代、第二期の1980年代後期からコロナ禍前までと考えると、コロナ禍後の昨年からは第三期黄金時代と言っても良いのかも知れない。1968年8月に結成されたTOPは、57年目の2025年に、再び頂点を迎えていると断言しても過言ではないだろう。
世界中のアーティストから一身に尊敬を集めている、「バンドの中のバンド」という存在であるTOP。大きなステージでこそ真価を発揮する大型バンドである。勿論、ライヴ・ハウスで観る彼等も素晴らしく、お客さん達への対応も実にフレンドリーで嬉しいのだが、大きなステージで体感するTOPのダイナミックなライヴ・パフォーマンスは、一味も二味も違うものがあるのだ。近年はご無沙汰だったビッグ・ステージでの彼等を、是非とも体感して欲しいと願う。

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LIVE INFORMATION
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Blue Note JAZZ FESTIVAL in JAPAN 2025
2025 9.27 sat., 9.28 sun.
Open12:00pm Start1:00pm
https://bluenotejazzfestival.jp
★タワー・オブ・パワーは 9.28 sun. に出演!
▶︎9.27 sat.
NORAH JONES
TAKE 6 with MIHO HAZAMA Jazz Orchestra
DON WAS & THE PAN-DETROIT ENSEMBLE
AMARO FREITAS
VALERIE JUNE
▶︎9.28 sun.
NE-YO
TOWER OF POWER
DAICHI MIURA
INCOGNITO
SOIL&”PIMP”SESSIONS with special guest RYOSUKE NAGAOKA
櫻井 隆章(さくらい・たかあき)
東京都出身。早稲田大学商学部卒。ラジオ番組プロデューサー、音楽ライター。大学中よりタワー・オブ・パワーのコピー・バンドを始め、現在も活動中。担当楽器は主にドラムとベース。2003年にタワー・オブ・パワー・ファンクラブを発足させ、以来会長を務める。